おならっぷばーん

You can't fart without changing the balance in the universe.

大阪名物「安い自販機」

 

大阪でまだ「お上品だ」と言われている北摂地域から、市内に引っ越してきた。その「上品」の中身はただの田舎っぽさである。素朴な人間が市内の人間を見ると、みな泥棒のように映るのか、父も「バイクのカギは二重三重にしとかないと、なんて言ったってあそこは○○区やからな…」とまるで海外の強盗多発地域を指すような口ぶりである。

 

たしかに郊外では見ないものを見る。


その筆頭が安い自販機だ。

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「すべての商品 大量購入 大歓迎!!」
「遠慮なさらず 袋持参で ご購入下さい」とある。

 

前は100円の自販機が安いと思ったが、今では高いと感じるようになった。安すぎて逆に怖くて買えず、結局コンビニで買ってしまうのだが…w 郊外の自販機は、競争相手が少ないからか、お高くとまってやがるな、と思う。

 

駅前に変な人がいる。痩身長躯の20代男、金髪サングラスにヘッドフォンをして、折りたたみ自転車を乗り回し「おれはギャングスタラッパ…」みたいなラップを、カラオケ屋でやるような声量で歌っている。周囲とのコミュニケーションの断絶具合から察するに、クスリの影響というよりはもともとソレっぽい人なのである。なにわのギャングスターラッパーが猛スピードで駆け抜ける横で、パジャマ姿の男が、唇に手をやり、セブンティーンアイスの自販機の前で裸足で突っ立っている。キャラが濃い変人が多く、通行人もそれを特段異常だと認めない。郊外では異物、危険人物として目立った「何やってるかわからん」系のおっさんが街に溶け込み、一般人と化している。

空き缶を集めて暮らす人も多い。空襲を耐え抜いたようなすすけたママチャリの荷台に、空き缶で満杯の袋を4つも5つもぶら下げて走る。非電化なので、脚力だけが頼りだ。か細い足でゆっくりとペダルを漕ぐ。その左右のリズムに空き缶袋がフラフラ。せわしくハンドルでバランスをとる様はまるで中国ゴマを回す達人だ。しかも国道2号線のど真ん中で。Uber Eatsの兄ちゃんでも、まだ申し訳なさそうに車線の左側を走るところ、長髪を風になびかせ、車線の中央を堂々の行進である。その勇ましさに圧倒されて、後列の車でクラクションを鳴らすものはおろか、嫌がらせ的に幅寄せして通り過ぎる車もいない。みな見慣れた景色の一部として軽やかにオーバーテイクしていく。

この街が好きだ。