おならっぷばーん

You can't fart without changing the balance in the universe.

盗んだ布団で走り出す

 

夏あたりに大型バイクの免許を取りにいく計画をしている。かつて中型二輪をとった京都の安い教習所で、最短6日57,000円で取れるっぽい。この話をすると、決まって父や職場の年寄りは「教習所? 昔は飛び込みでいったもんよ」と水泳選手みたいなことを言う。時代が違うんだよ!時代が!

まだ免許も取らないのに、どのバイクを買うか悩んでいる。幼稚園来の親友は、真っ黒のCBR1000RRを自宅のインナーガレージに停めている。向かい合わせに奥さんの黒のNinja250が並ぶ。おしゃれインテリア雑誌でみたような光景だ。リビングソファに腰かけてコーヒーをやりながらバイクを眺め、「一緒にサーキット走ろうよ」と誘われて落ちない男がいるのだろうか。僕ら夫婦の場合は、共用の駐輪場にホームセンターで買った銀色のママチャリが2台。1台は親父のお古で、大阪のおっさん特有の「チャリをパクられないためには目立たなあかん」理論のせいで、黄色い蛍光シールに反射板、見たことないご当地キャラのシール、僕が大学の入学式でもらった「K.G」と書かれた校名入りのシール…シールとあらば何でも貼りつけて、幼児のいる家のキッチン扉が走っているみたいだ。

サーキット走行を視野にいれてスーパースポーツバイクが欲しいのだが、200万円の車体価格と維持費、保管場所もママチャリや原付きじゃないんだから、風雨にさらされず防犯上も安心なところで、別でトランクルームを借りなきゃ…と考えると現実感が希薄になっていく。一番手頃なのは車検もいらない250ccクラスで、今なら各社からCBR250RR, Ninja250, YZF-R25, GSX250Rとかいろいろ出てる。このあたりを買うのが現実的なんだけど、だったら大型免許いらなくね?と話は振り出しに戻る。

高2の時ホンダのホーネット250に乗っていた。シルバーの車体に赤いホイルで、サンセイレーシングとかいう聞いたことないマフラーがついていた。今でもこのバイクに乗っている場面を夢見し、目が覚めて「ああ、もうバイクないんだ」と悲しくなる。親父に「10代は保険料がバカ高い」と言われ、は?高い意味がわかんねえんだけど、と社会の不合理から抜け出すようにバンバン走っていたら統計どおりに盛大に事故って廃車になった。それから、スズキのアドレスV125に乗り換えて、今でも親父の足に使われている。高校当時、原付きからホーネットまで、一緒に走りまくったのが、当時CB400SFに乗っていた現CBR1000RR乗りの幼馴染みなのである。あのときみたいに一緒に走りてー!と、どこかでずっと思っているわけである。

しかしこの歳になって免許まで取るってことは、ガチの趣味として金と時間をかけてやっていくってことだ。その覚悟がないというか、完全なバイクオヤジになってしまうのはなんだか違うんだよなあ。どちらかと言うと、始めたいのはバイクはバイクでもロードバイクのほうで、手軽で健康的でエコで維持費もかからず保管も楽っていう至高の乗り物なんだけど、それもなんかスピードを求めだすと違う気がして、だったら今のママチャリでのんびり走ってるほうがいいじゃんってなる。四輪も二輪も自転車も、何を買うか、どうするかグルグル思考のペダルが空回りして、車のこと考えているのに一向に話が前に進まないっていう。はやく布団にドローンつけて寝たまま移動できるような世の中になってくれないかなー。