おならっぷばーん

You can't fart without changing the balance in the universe.

ゼリー魔

f:id:gmor:20200311063522j:image


8000円出して36個入りゼリーを2セット買ってしまった。

真冬でも毎日寝る前に凍らせたゼリーを彼女と一緒に食べることを至上の幸福としている。ふつう会社員にとっての1日のお疲れ様でしたがビールなら、僕の家ではぶどうゼリーであり、ヨーグルト・ミックスゼリーである。休みの日には朝から食べる。買う面倒を厭い、在庫切れのもう何も手につかない無力感を逃れるために、大人のパワー(=金)でかたをつけた。ビールを箱買いする連中を「アル中どもめ、金払って不健康になってやら」と笑ったが、中毒性のないゼリーで同じことをしているのだから、どれだけ深刻かわかるだろう。

冷たいものを食べるならアイスにすればいいものを、と考えるのはゼリーをそのまま食べるしか知らない素人の限界である。僕らにとってアイスは、ゼリーがないとき、ゼリーがまだ凍っていないときに、しかたなく食べる劣後のデザートだ。アイスは氷菓かミルクアイスに別れるが、かき氷のガリガリ感は布団のうえでは卑劣だし、乳脂肪のねっとり感は夢の入り口を牛舎にする。そこへきて凍ったゼラチンの、あのシャリッと感のなかにもしっとりでいる心は、故郷を忘れない上京娘のようだし、低温で倍加するフルーツの清涼は、冷凍マンモスの毛並みのように美しい。歯磨きしないでも歯磨きしたように清潔で、あの吐き気のこみ上げるメロン味の幼児用ハミガキより、いくらか歯周病に効果のあることは歯医者に通って15年の僕が証明するところだ。「フルーツは体に良い」という説がまかり通っているので、フライドポテトを野菜だと言い切る欧米人のように、食後にうしろめたさが残らない。

72個買っても2人なら1ヵ月で消える。
ああ、はやく仕事終わりの乾杯がしたい。