おならっぷばーん

You can't fart without changing the balance in the universe.

『無理なく勉強を続けられる人の時間術59』が時間の無駄

f:id:gmor:20200219170326j:image

 

全文は読まない。勉強法を勉強する時間なぞ僕にはない。同棲して自分の時間がとれないことに気づいた。フルタイムで働くと、状況に輪をかけて、ひとりの時間が減った。「嫁が風呂に入る前の、歯磨きの音がしゃこしゃこ洗面所から聞こえてきたら、ダッシュでベッドに隠れて、オナニーする」と言う先輩の苦労話に、既婚男性の悲哀があらわれている。

ユーキャンで社労士の勉強をはじめて1ヵ月が経つ。「時間がない」を言い訳にするのは格好悪いので、朝6時に起きてテキストを読んだり、昼休憩にネットで正誤問題を解いたり、晩ご飯ができる前に朝の続きをやったりして、なんとか1日のノルマ(テキスト15ページ程度)をクリアする。こう書くと、朝活を実践する意識高い系のビジネスパーソンみたいだが、眠い目で字を追うだけだ。講座ガイドブックに載る標語「満点じゃなくて合格点(60~70点)で十分」は秀逸で、実生活にも効果が及ぶ。

ブログを書くにしても、無職時代はいくらでも自分なりに完成度を高められた(それゆえ永久に仕上がらなかった)が、今はまとまった時間がとれないので、さっと書き上げて合格点が出たら打ち切り。自己満足のための緻密さを諦めて、更新の尻が軽くなった。合格点を狙う考え方は、皿洗いや部屋の片付けにも出る。完全な清潔を目指してスプーンを2度洗い、ひと部屋のこらず整理せねば、という使命感が失せた。仕事面でもそうだ。出勤で75点が出るので、タイムカードに始業時間を打刻した時点で帰ってもいいくらいである。右も左も分からない新入りの僕に仕事があるとすれば、とりあえず毎日出勤することくらいだ。あれこれ覚えようと一字一句、一手続き、一スイッチのオンオフに血眼になるほうが、かえって大きな地図を見失う。だから「スイッチを切るタイミングが間違っているぞ。こんなことしたら機械が壊れる。何度言ったら分かるんだ」と10点減点をくらっても、まだ65点残る。一日の成績表に○がついて余りある。

本のなかでピンときたのは「起きている時間で、仕事以外の時間をすべて勉強時間だととらえる」という、著者のウソかホントか分からない行動原理を述べた箇所だ。新聞社の写真部で激務をこなしながら、海外の大学院留学(MBA取得)を成し遂げた実績がある。いまは能力開発のセミナーや教材開発で生計を立てている。「会社をいくつも経営しながら、それでも1日に90分の勉強時間を確保できている」と話す。勉強勉強って、いったい何をそんなに勉強しているんだ? そんなに勉強してどうするつもりなんだ? 勉強して他人に勉強法を教えること、「あなたは変わる」「人生が変わる」「私のメルマガ『「1日30分」自己投資 古市の能力開発』で…」と勉強嫌いの人に伝えるのが勉強の成果なら、そんな勉強にどんな意味があるんだろう? 勉強法なら偉大な科学者に教えてもらいたいが、彼らは自分の研究を勉強だと思わない。頭のいい人に「どうやって頭がよくなったんですか?」と聞くようなものだ。僕らが学べるのは、バカと思われるくらい没頭しろ、という今では月並みな教訓くらいだ。

無職2ヵ月目、タウンワークで飯の種を探すときに、なにより重視したのは自宅からの距離だった。家からほど近いプリンタ基盤の製造工場のバイトに応募するため、梅田の工場系人材派遣会社まで登録しにいった。係の女から「バイクや電車で通える範囲なら、こちらもございますが」と紹介される案件をすべて突っぱねて帰った。「最寄り駅にお仕事多数」を謳う派遣会社も、電車で1時間の作業場ばかり紹介するので、着信拒否にした。次に見つけたのがいまの職場で、家のドアを閉めてから徒歩7分、チャリ5分で着く。駅まで歩いて5分、電車移動20分、また駅から歩いて5分の職場へ通う人とくらべたら、往復分で、僕は1日が1時間も多いわけである。このアドバンテージを活かして勉強するのが時間術の掟だろうが、僕はその1時間を寝姿勢でコーンフレークを食べながら、パチスロ実戦動画を観るともなく観るという究極の無産行為に充てている。これが人生の充実でなくてなんであろう。僕はちゃんと働きだしてから1回もパチンコに行かない。貴重な休暇を、金を時間を、パチンコに投じるのは心底嫌だと思うようになった。たまの休みに朝から晩までパチンコを打つ友人をみると、ほんとうに趣味の世界だと思う。同じ1万円を使うなら、NISA口座にでも突っ込んでいるほうがましだ。

本のなかで共感できたのは「設備投資に金を惜しむと勉強時間が増えない」という点だ。彼はWindowsPCを3台、MacBookを3台、用途に応じて使い分けるという(ほんとにそんなにいる…?)。僕はChromebookを買ってから、格段にブログを更新できるようになった。新しいPCをいじるのが楽しくて、勉強時間は増えるどころか減り、置いてけぼりの彼女がだんだん不機嫌になっていく。時間術って、勉強なんかより、好きな人とできるだけ幸せにいるために使うものだよな。