おならっぷばーん

You can't fart without changing the balance in the universe.

はじめてのトゥーブロック

 

二大興味なしといえば、食と髪である。食べ物は1日分の栄養が摂れたら白い錠剤でも構わず、髪型は短いほど、リンスと次の散髪の手間が省けてよろしい。話題のスイーツや行列のできるラーメン屋なんて、ハムスターの生理行動より興味ない。まして毛染めだの、ワックスだの、「これと似たような感じにしてください」と指差すヘアカタログの何代目ジェイソウルブラザーズだの、キンプリの紫耀くんだの、スノウマンのしょっぴーだの、まるで関知しない。

前回の散髪から2ヵ月、すでに頭部は成人として看過すべからざるモッタリ感を放っている。僕の最近の生のテーマは、「やる気のないサラリーマンでいこう」なので、全体的なダメ感は尊重したいところだが、バレンタインが近づき、パートのおばちゃんにもアピールしたかったので、髪を切った。と、その前に同居の彼女から「切らずにサイドだけカミソリで剃って、ツーブロックにしたらいいのよ」と指摘され、もともと散髪屋が苦手な理由に、接近戦のコミュニケーションと、アクセスのめんどくさみを挙げる根っからのコミュ障にして出不精の僕をして、もみあげを落としむるに十分な動機づけとあいなる。手でもみあげを隠し、「ここがなくても違和感がないんだな?」と事前のシミュレーションを重ねたのに、風呂場を出たら、やっぱり散髪に行ったほうがいいよ、と言うじゃないか。だから嫌なんだ。自分でやるな散髪と帝王切開。僕はヒゲの剃り残しみたいな青白いもみあげを2丁かかえて2日間勤務した。

「ガッツリいきましたねえ」
「チャレンジャーですねえ」
散髪屋は感嘆する。いや違うんです、なんかやれって言われてぇ、仕方なくー…そう、この説明が嫌なんだ。一度セルフカットに手を出したら最後、プロの目からみて「こいつ自分でやりやがったw」の嘲笑を受ける覚悟が決まらない限り、ずっと自分で切り続けねばならない。この悪循環をワンサイクルで断ち切るべく、勇気をもって1000円カットの門戸を叩いた。「かなり段々になってますんで、なんとかグラデーションでごまかしてみます。あともうちょっといってたら、取り返しがつかなかったですよ。なんですか、ツーブロックにしてみたかったんですか?」と半笑いで問われ、えへへまあ、といまさら何ブロックでも構わない本心と、実態との乖離に苦しんだ。

 

 

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