おならっぷばーん

You can't fart without changing the balance in the universe.

コーヒーやめてみた

 

水分補給といえば、口をゆすぐとき、喉に入る水道水と、大好きなコーヒーで、いくらステイン除去の歯磨き粉を、バーグディッシュのマヨネーズの量つけて磨いても、歯並びは、栄町と名のついた二度と栄えることのない商店街の、シャッター通りの外観を示している。愛するパートナーに近づくと、冷蔵庫の古いガラスタッパーを開けたような表情で、「口からドブのにおいがする」と逃げられる。ここで被害者の会が、コーヒーやめてみたら? と提案してきた。

おりしも京大卒の有名ニート・Phaさんの『ひきこもらない』というエッセイで、カフェイン断ちの話を読んでいた。彼に言わせると、コーヒーは神経を昂ぶらせる劇薬である。やめたら終始落ち着いていられるし、不安も緊張もなくなったらしい。毎日マグカップに4杯飲む僕は、コーヒーをやめるなんて馬鹿だ、数学者の仕事はコーヒーを定理に変えることだと言うじゃないか、明晰な頭脳のはたらきには何としてもコーヒーが必要なのだ、とコーヒーではたらかせたその頭脳とやらで考えて意見を封殺したのだが、結局いちばん身近な人の「口がくさい」ということばの侵襲に堪えきれず、コーヒーメーカーの電源をしばらく落とすことになった。

朝一のコーヒーをミロで代用し、昼間は白湯、食後は水に置き換えた。Phaさんの本で読んだ精神面での変化は、感知できない。飲んでも飲まなくても一緒なら、べつに飲まなくてもいいや、という気になる。体調面では、胃や喉のイガイガがなくなった。僕の食が細いのは、コーヒーのせいだったかもしれない、と思うほど食欲が戻った。いよいよコーヒー断ちの成果を知らせるために近づくと、その報告をする口がくさい、胃が腐ってるんじゃないの、と言われてしまった。そう、僕は胃が腐っているのである。