おならっぷばーん

You can't fart without changing the balance in the universe.

社会人1年生デビュー

 

・フリーター辞められそう

2月から今のバイト先のクリーニング工場で、契約社員として働くことになった。ずっとバイトだったから、30歳にして遅ればせながら、これが初めての社会人デビューというわけで、すでに社会で働く諸先輩方におかれましては、未熟者をどうかよろしくお願いいたします。

本部から偉いさんが来て(なぜこの人が偉いかというと、スーツ襟に会社のロゴマークのバッヂをつけていたからだ)、談笑するうちに、準社員なら月20万、正社員なら23万から、という話が出て、お互いに様子を見ながらやっていきましょう、ということになった。バイトとして入社するとき、印象よかれと思って「いま就活中で、春までに仕事を見つけたい」と話したから、僕に別の腹があると思って控えめに誘ってくれたのだろう。本当は就活する気も、就職口のあてもなかったのだから、正直ここで非正規であれ、バイトより着実な仕事が見つかってホッとしている。ただ、僕がいつも慕っている現場の先輩が、ときどき工場を視察にくるなんとかブチョウに頭を下げ、そのブチョウが、襟にバッヂをしたトリシマリヤクブチョウにペコペコし、僕と面会してくださったその一番偉いかと思われたトリシマリヤクブチョウが、今度は明らかに歳下である(よく調べたら2代目の)トリシマリヤクシャチョウの運転手を務めているのを見たとき、ああサラリーマンとして働くとは、この地位と役職の階梯を上がることなのだ、いや上がることを夢見つつ妥協と見切り、住宅ローンの支払いを重ねることなのだと直感した。それもなんかヤだな。僕の父は高校を出て消防署員になり、試験を受けて昇進しても、管理職の残業とペーパーワークに圧倒されて身体を壊し、現業に戻った。給料より生活をとった。僕も上司や部下にもまれて営業事務をするより、工場でカッターシャツをもみ洗いするほうが性に合う、と発想するのだろうか。未契約社員の分限で、未来の進退問題に頭を悩ませるのは、贅沢な仕事だけれど。

 

・資格勉強はじめた

ユーキャンで社労士の講座を始めた。受講料8万円というのは、1月の給与が正確に13万2076円の人間には痛すぎる。資格を得たところで昇給も就職口もない。ただ得失を天秤にかければ、失うのはお金くらいなもので、働くことに関する法律とか保険についての知識が身につくのは、万年フリーターで有給休暇付与の条件も知らずに、なんで有給がもらえるんだ?とスーパーのバイト時代にずっと不思議に思っていた世間知らずには大いにプラスになる。それに新しいことを勉強する日課が、鈍い神経を鍛えてくれる、日々薄くなる人生に意味を添えてくれる、やりたいことがない無気力人間、やることがない指示待ち人間に、やらねばならぬ課題と義務を与えてくれる。その出来合いの充実感をまた味うために、次々と無用な資格に手をだす資格マニアの動機がわかった。資格をとる前から、はやく違う資格がとりたい。講座パンフレットをバイキングのメニュー表のように眺めている。資格マニアは、自身の有能を証明したいだけの、掃除機のパッケージみたいな人間だと思っていたが、彼らも僕も、目の前にニンジンがなけりゃ走れない寂しい馬なのだと知る。

このブログは、30歳フリーターが、その陰気な性質から、人を嫌い、世を怨んで、毎日の無意味な空費を、さも歴史の一大事かのごとく扱って派手に吹聴し、ささいな個人情報を、あたかも寺社の秘仏のごとく隠しては厳重に開帳する独身男のあわれな自閉世界の全体から、サラリーマンが将来を見据えて前向きに家族とパートナー、同僚、友人との関係を見極め、自身のキャリアと健康と年金のために、資格勉強、読書、筋トレ、投資、グルメ、ガジェットにまつわる情報を私情ぬきにシェアして読者の利便をはかる、男性会社員の月並みな開放的世界の一部へと、ありきたりで、もっともつまらないブログへと、華麗なる転身を遂げてゆく。