おならっぷばーん

You can't fart without changing the balance in the universe.

地震ヤバかったー

f:id:gmor:20180622100231j:image地震直後の店内の様子。ニュースでよく見るやつだ…)

 

早朝アルバイターの僕は、開店前のスーパーでアイスクリームを補充していた。気温が上がってアイスがよく売れるんだ。きのう入れたスイカバーもう無いのかよ、とか文句を言ってると地震がくる。

このくらいの揺れはすぐおさまる、構うもんかと強気で作業していたら、途中から身体のクッションが間に合わないくらい床が上下左右しだして、店がまっ暗になった。ガタガタガタガタ建物がきしむ音、什器が振るえる音、ガラスのショーケースが飛び散る音、ドタドタガッチャン棚からドレッシングが飛び上がる音、積んだポン酢がくずれる音、そんな音波を混ぜ合わせた砂嵐のなかである。僕は手にしたアイスを放りだして、陳列棚のへりに両手でつかまり、そばにいた50代の男性従業員と目を合わせ、世界の終わりにどうしてお前と一緒なんだ、とお互いの顔を見た。

 

人は非常時でも落ち着いていられる気でいる。ところが非常事態になってみると、顔をまっ青にしてとり乱す。文化祭の演劇でもこんなものとナメてかかった者が、本番で衣装にワキ汗のしみをつくる。店の避難訓練をしても、働かずに時給がもらえて得だとしか思わなかった僕は、地震直後なにをすべきか分からずあたふたした。ほかの店員もみな、店の外に避難するでもなく、仕事するでもなく、上司の指示を待ちながら、ぐちゃぐちゃの店内を右に左に行ったり来たりするだけであった。

指示待ちにも飽きた頃、スタッフがどこからともなく集まって、アイスクリームの補充を始めた。冷凍ケースは電源が落ちている。停電でまっ暗の店内で、不安な顔した人間がぞろぞろやってきて、溶けかけのアイスを常温の冷凍庫に詰め込んでいる。この光景は地震の次におそろしかった。仕事にたいする責任というやつだろうか。それともただ不安を紛らわすために日常を演じているだけだろうか。床のタイルが圧力でせり上がり、崩壊したリカーコーナーから日本酒、ワイン、ビール、ウイスキー、焼酎ありとあらゆる種類の酒をちゃんぽんした、生ぐさい発酵臭が立ちのぼる。数日の閉店は免れない状況で、なぜ僕らはいまアイスを補充するのか。スケジュールで決まった残り20分をまじめに勤めあげるためか? また地震がきたらどうするんだ? ここにいたら死ねると思い、家に帰った。

 

 

 

f:id:gmor:20180622100245j:image帰ると部屋のドアが倒れていた。
当たったかもしれないと思うと、外にいてラッキーだ。

 

命あってよかった。

みなさんも気をつけて。