おならっぷばーん

You can't fart without changing the balance in the universe.

KIX

 

大人になると色褪せて見えるものがある。

 

f:id:gmor:20180320090924j:plain

関空のピンクがそうだ。

出国時には応援の旗。帰国時は疲れと酔いをときほぐす保養のタオル。幼い網膜には映らなかった煩瑣な手続きのいろいろ、待たせ待たされる列のあれこれ、不安心配ごとのもろもろが見えてくる。往復路の一歩一歩がバカンスの延長というより、単なる点間の移動にしか感じられなくなる。空港の輝ける桃色は、総合病院の待合室のライトピンクと区別がつかない。乗客と患者、旅行と入院の差が分らない。ここにある棺桶は、時速800kmで飛び、500体を収容する。

 

 

大人になると夢の醒めるときがある。

f:id:gmor:20180320090942j:plain

天井の模型がそうだ。

 

 

f:id:gmor:20180320090953j:plain

主翼と尾翼が動き、機体が前後する。

 

f:id:gmor:20180320091001j:plain

関空を飛び立った旅客機の動きを、正確にシミュレートするマシンだと20年間思っていた。いま見れば、換気口の風を受けて、ただそよぐだけの布と骨組み。家電量販店のエアコンにみる風の可視化のビラビラと同じだ。

 

 

 

f:id:gmor:20180320091026j:plain

ターミナルとは別の展望ホールで離着陸を眺めた。持参の双眼鏡から目を離さない熱心な少年と、「順番を待ってるんや」「右から来るんや」と浅いうんちくを女に垂れるサングラスの男に囲まれて、頭上に機体のなま白い腹を見た。地鳴りする轟音とともに、鉄の巨体が持ち上がる。遅いような速いような、軽いような重いような独特の浮遊感がある。計り知れない科学力と、想像もつかない技術力の結集に、人間のすごさと、僕個人の非力をまざまざと実感させられる。

 

 

 

お土産にエア・カナダのノート。

f:id:gmor:20180320100006j:plain

ノートを買うと新しいことができると思う。

大人の夢の続きである。

 

広告を非表示にする