おならっぷばーん

真夜中の異臭さわぎ

1の報告

 

イオンのお徳用ルーズリーフ200枚入りを2つ買い込んで、よっしゃブログ更新しまくるで、わしかてなにわの男やさかい、一度決めたことは最後までやり抜くんや。だから途中でケツ割るようなまねは絶対でけへん。バイトの昼休み、ひとり公園で菓子パンの封を切る。条件反射で飛んできたハトの群れにそんなことを語りかけた。

ハトぽっぽ少年は元気だろうか。地元の福祉センターに通っていた知的障害者の子で、人と関わりを持たないかわりに、毎日公園まで食パンを搭載した自転車で駆けつけてハトにエサをやった。ハトの輪の中心にキリストのように君臨し、ときどき人語ならぬ声を発してハトと会話しているように見えることから、同級生はみな彼をハトぽっぽ少年と呼んだ。

あれから20年。少年期の聖域はすでに閉じた。青年期は恥じらいとともに地下牢のなかにある。あとは長い長い退屈の壮年老後が残るのみ。成人したハトぽっぽ少年はどこへ消えたか。もう10年は姿を見ない。ふつうでないものを社会の基幹から排除する仕組みは、きわめて正確に動いているようである。

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物流センターの工場でバイトを始めた。週4日26時間働く。時給は1,000円だ。仕事はダンボールの組み立て、搬送、商品の箱詰め、梱包である。重いものを上げ下げすることはない。6:4で女性が多い軽作業の現場だ。

人と正対ですれ違うことが困難な狭小ラインで20人が作業する。キュルキュルと黒板を引っ掻いたような音をたてる巨大コンベアに体の四方をとり囲まれて、終業のチャイムが鳴るまで、ひたすら同じ動作を繰り返す。機械にできない繊細な作業といえば聞こえはいいが、実際は、機械を導入するまでもないチマチマした雑務をこなすのである。ここに集まった労働者はみな機械の仕事のおこぼれを頂いてやっと働ける身分なのだ。

工場のいたるところに鉄の触手を伸ばした巨大システムに、かつて機械が演じた人間の良き助手というおもかげはない。そこには、未機械化部分のクラックを埋めるシール剤として、安価な人間の労働力を用いる、灰色の皮膚をもった王のすがたがある。機械のみならず、僕ら派遣スタッフは同じ人からも人間扱いを受けない。胸に挿した名札はどこの派遣会社からやってきた者かを示すだけで、個人名が呼ばれることはなく、個人が認知されることはない。年齢性別、学歴職歴にかかわらず、ここに集う労働者はみな作業ラインの一角を埋める数字の「1」で把握される。ここまで徹底してわたしという存在が抽象化されると、かえって清々しくもなる。マスクして街を歩くのと同じだ。個人をログアウトする感覚である。しかし、どんな快感も長く続けば苦痛であるように、脱個人の快感も、暗闇のなかで一瞬光って見えた錯覚の白に過ぎない。訓練したサルでもつとまる低熟練労働に誇りと責任をもってまじめに取り組むパートのおばちゃんたちをみると、ずさんな勤怠管理のチェック体制の弱点をついて、ありもしない勤務実態をでっち上げるにはどうすればいいか日々思案している僕が、たいへん小さな人間に思えてくる。しかしま、バイトの愚痴はこれぐらいにしといて。

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バイト始めて思ったんやけどさ、フルタイムで働きながらブログ更新してる人まじでスゲーわ。週30時間も稼働しないフリーターの分際で「書く時間がねー!」なんて言うのが恥ずかしい。尊敬するわ。ふつうに。

こんなん、わずかな自由時間を削ってやることじゃなくね? だったらストロングゼロ飲みながら、クレイジージャーニーみたり、ジャンバリのパチスロ動画みたり、ケータイで白猫したり、2chまとめサイトみたり、ハンターハンターのオークション編よんだり、バック・トゥ・ザ・フューチャー2みてるほうが楽しいし、余暇はそういう徹底してラクチンな、受動的な、ひたすら快をむさぼるような娯楽で埋め尽くしたいやん? その時間をブログに充てるって、ある意味ガイキチですやんか。

趣味にまで高めるか、第二の仕事だと割り切って覚悟すれば、更新できるもんかね? 僕はただ人から褒められたいっていうヨコシマな気持ちだけでやってるから、あんまし継続できへんのかな。まあ、そんなこと聞かれても困るやろけど。ま、イヤとは言いながら書くん好きやからやっていくんやけどもやな…

 

 

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