おならっぷばーん

真夜中の異臭さわぎ

ブックオフで洋書を買ってきた

ブックオフの洋書コーナーで、クエンティン・タランティーノの映画『ジャッキー・ブラウン』の原作小説を見つけた。しかも108円である。 

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買い取っても、うまく捌けないからか、Amazon中古よりも安値がつく。洋書を売る人間がそもそも少ないため、ラインナップには期待できないが、掘り出し物があるかどうか毎回チェックするのが楽しい。

置いてある本の大半は、英訳された日本のマンガ、幼児向けの絵本、『Kyoto』のような外国人向け観光マップであり、ふつうの書店で手に入るような良質のペーパーバックは手に入らない。 

洋書なら茶屋町MARUZEN&ジュンク堂書店に限る。6階の売り場スペース半分が洋書で埋まっている。大阪ではおそらく最大級の取扱量だ。じぶんの背丈よりずっと大きい本棚に、ぎっしりと洋モノの本が詰まった通路を抜けるとき、ありふれた日本語の文字が消えた異世界にトリップしたような気分になる。

 

「洋書洋書」と言うからには英語がスラスラ読めると勘違いされるかもしれないが、大学入試レベルを超えたものは一切読めない。

なじみない英単語が文中にひとつ現れると頭がクラッとする。不運にも2つ目の意味不明語に出会ってしまうと背すじにぞわっと寒気が走る。無事にピリオドまでたどり着きたいと思い、おそるおそる薄目を開けて英文の続きに目を走らせるが、そこで3つ目の未知語とばったり出くわした日にはもう、卒倒してしばらく起き上がれない。

だから今までに読み終えた洋書は1冊しかない。広告会社の役員を勤める中年おやじがある日突然リストラされて、しかたなくスターバックスバイトをはじめる実話、Michael Gates Gill. How Starbucks Saved My Life.(= 月沢李歌子訳『ラテに感謝!―転落エリートの私を救った世界最高の仕事』ダイヤモンド社)である。  

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この本をスターバックスに持って入り、カプチーノを傾けながら、足を組み、さも英語できる風に読んでやろうと考えたが、手元に辞書代わりのスマホが欠かせず、本と液晶画面を交互に見比べて読み進める必要があるために、格好がつかないと思ってやめたのだった。

 

ジャッキー・ブラウン』に話を戻そう。この映画を好きな理由は、タイトルの出る瞬間と、その直前シーン(アバンタイトル)が最高だからだ。 

ボビー・ウォーマックが歌う「Across 110th Street」という曲にのって、ムービングウォークのうえを主演パム・グリアが水平移動していく映像のおしゃれさ、センスの良さ。オープニングを見たときに「これはいい映画に決まってる!」と確信し、興奮と安心のよくわからない感動のうずに巻き込まれる。このワンシーンで、この映画の作り手たちが信頼できる奴らだと直感的にわかるのである。

 

ジャッキー・ブラウン』のほかにも開始早々、タイトル出現時に勝負が決まってしまう映画がある。たとえばロバート・アルトマンの『ゴスフォード・パーク』だ。 

(1分30秒辺りから)

 

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目が濡れる、涙よりもっといやらしい何かで。

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