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おならっぷばーん

なにも考えずに、楽しむ

エロビデオで知る人のまごころ

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駐輪場で、電子レンジくらいの大きさの、白い紙袋を見つけました。

ところで、みなさまは「Gaydar」という英単語をご存知でしょうか。gay(ゲイ)とradar(レーダー)を合体させたコトバで、ちゃんと英和辞典にも載っているのですが、これは「ゲイがゲイを素早く探知する能力」を指します。ぼくはゲイではありませんが、その手のレーダーがつねに回転しておりますので、紙袋の中身を見るまでもなく、それが捨て場所に困ったエログッズであることを察知しました。

写真を撮らなかったことを後悔しています。正直いうと、現場では「これを持って帰るかどうか。そして持って帰るとすれば、どうするか」を必死に考えていたので、写真撮影をする余裕がなかった。紙袋には、年代もののエロビデオがぎっしり詰まっていたのです。

ひと昔前のぼくなら、紙袋を抱きしめて、ほおずりしながらスキップで家まで帰ったでしょう。しかし、時代の移り変わりとは悲しいものです。家にVHSを再生できる機械がありません。「香織ちゃん」と手打ちラベルが貼られた黒テープも見ることができない。業者に頼めば、ビデオテープからDVDを作ってもらえます。しかし、パッケージに写った女性はみな前髪カール&ハイレグ水着という出で立ち、現代の感覚からすればまるで没魅力的なバブル期のAVをそこまでして確かめたいか、と言われたら、いくら女性趣味のねじれがトリプルアクセルのぼくでも、断らざるをえない。いさぎよく諦めます。

この手の活動を不法投棄と呼ぶのは反対です。子どものころ、草むらで遊んでいると、放置されたエロゴミがたくさんありました。わくわくしながら、友人宅へ集まり、鑑賞会を開いたものです。学校の視聴覚室で観たときは、教師から呼び出しをくらい、学年集会へと発展、肝心のビデオは没収されて行方知れずです。

自治体によって処分方法は異なりますが、この辺りでは、VHSは燃焼ゴミとして処分可能です。ふつうに捨てられるものを、わざわざ人目につく場所に放置するのは、新たな持ち主へと渡る可能性を見越してのこと。拾うほうも「ゴミであれば」と楽にバトンを受け取ることができる。これより美しい慈善事業があるでしょうか。

それは山間を流れる清冽な湧水。いかにも「私たちは善いことをしています」と主張する活動は、しょせん汚泥にまみれた一級河川に過ぎません。元来、性教育は、保健体育の教科書で習うものではなく、こうした善良な市民による見えない草の根運動によって支えられてきました。それが今ではネットに取って代わられ、すっかり活動も下火になってしまいましたが、今日はひさびさに人間の良心、まごころに触れた気がします。

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