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おならっぷばーん

なにも考えずに、楽しむ

インタビュー: ミニマリストの男

 

「ほんとうにお部屋になにもありませんね、驚きました。

「そうですね。家に初めて来る人はみな口を揃えて言います、こんなに何もなくて生活できるの?って(笑)

「わたしもそう思いました(笑)。本棚もテレビもない。日用品もほとんど目につきません。いったいどうやって生活してるんですか?

「もともとテレビ好きで毎日2,3時間は見ていたんですよ。でも覚悟を決めて友人に譲りました。すると時間をとても有効に使えることに気付いたんです。200冊ぐらいあった本もぜんぶ処分して、いまは電子書籍を楽しんでいます。

「なるほど。ところで冷蔵庫もありませんよね?

「突きつめて考えると、冷蔵庫もいらないんですよ。食べものを余分に買うから保存する必要がでてくるので、その日に消費するぶんの食べものをうまく買ってこれば、冷蔵する必要もなくなるわけです。

「それは盲点でした。でもさすがにベッドは必要では?

「人生の3分の1は睡眠だから大事だと言いますね。でもぼくは、逆に3分の1だからこそ重要じゃないという考えをしています。

「どういうことですか?

「つまり寝ないんです。ぼくは皆さんよりも1日が6時間ほど長い(笑)。これは長期的にみれば大変なメリットなんですね。

「言われてみれば確かにそうですね。さっき気付いたんですが、この部屋にはトイレもありませんよね?

「ある日疑問に思ったんです。どうして便器をつかって排泄する必要があるのかと。私たちはトイレという常識に囚われているんです。「アウト・オブ・ザ・ボックス(out of the box)」という言葉がありますよね。つまり、ものごとを創造的に解決するには、常識の箱から出なければいけません。ぼくはクリエイターですから、トイレを使わないのはむしろ当然なんですね。

「じゃあ一体どこで?

「小用ならベランダの排水口や、台所のシンクにしちゃいます。シンクなら同時に手も洗えるから便利なんですよ。

「でも大きい方は?

「こればかりはシンクにできないので、しかたなく手で受けて、外に投げるようにしています。マンションの裏はふつうの民家ですが、苦情がきても誰が捨てたかなんてわかりませんからね。これは秘密ですよ(笑)

ミニマリストの極意をみた気がします。逆にこれだけは必要なモノってあるんですか?

MacBookiPad、それにiPhoneですね。スティーブ・ジョブズは尊敬しています。彼は有名なミニマリストだったんですよ。ときどき瞑想していると、目の前にジョブズが降りてきて言うんです、きみはもっと捨てられるって(笑)。そのとき思ったんですね、あっジョブズって日本語も話せたんだって。

「ほかに必要不可欠なモノはありますか?

「ゴム手袋は必要です。さっき自分の手で便を受けると言ったのですが、さすがに素手だと臭いがついてしまって食事に困るんですよ。ぼくはごはんも素手で食べますからね。その日の気分で、どっちの場面でゴム手袋を使うか決めることにしています。今日は素手でいきたいなって日は、掴むものにかかわらずあるんですよ。

「深い世界なんですね。ものが捨てられない人間代表として率直に質問するんですが、こんな生活で楽しいですか?(笑)

「楽しいに決まってますよ。楽しい。ほんとうに楽しいです。

「何もないのに?

「これだからモノに毒されている人は困るんですよ。感覚が完全にマヒしています。部屋に射しこむ太陽の光、あたたかみを楽しむ。吸う息ひとつとってみても楽しいんです。ぼくはモノを捨てたおかげで感性が開けているというか、精神のステージが一般の消費者より高いところにあるんですね。モノまみれの人間をみて哀れだなと思いますよ、まだトイレットペーパーなんか使ってるのかって。でも仕方ありません。自分の尻を素手で拭ける人なんて日本でも1%しかいない優れた人間です。いつの時代も優秀な人間はほんの一握りしか存在しませんから。

「日本では130万人が自分のおしりを素手で拭いていると?

「そうですね、もっと少ないかもしれません。 とにかく少ないのです。

「最後にひとことお願いします。

「今日、頑丈なロープを買ってきました。この身体を捨てるためです。ぼくは宇宙の意識と一体化することで自分のミニマリスト道を完成させたいと思います。

「ありがとうございました。今後のご活躍をお祈りしています。

 

 

 

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