積ん読

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年末年始の引きこもり読書用に本を買い溜めていたら、1ヵ月かかっても読めないほど集めてしまった。収拾がつかないので整理したい。

前に中島らものことを書いたが、依然「らも」研究は続けていて、彼の思考回路のひみつを暴くべく手当たりしだい読んでいる。

『砂をつかんで立ち上がれ』集英社文庫.
『変‼︎』双葉文庫.
『とほほのほ』双葉文庫.
『なにわのアホぢから』講談社文庫.
『異人伝 中島らものやり口』KKベストセラーズ.
『文藝別冊 総特集 中島らも河出書房新社.
中島らもの特選明るい悩み相談室 その1 ニッポンの家庭篇』集英社文庫.
中島らもの特選明るい悩み相談室 その2 ニッポンの常識篇』集英社文庫.

なかでも『砂をつかんで立ち上がれ』はエッセイ集としては凡庸だが、資料として価値がある。これは本を主題にしたエッセイの寄せ集めで、幼少期から青年期にかけて、中島らもが触れてきた文学作品が把握できる。彼は、脚本や小説を書くために読書するが、娯楽のために本を読むことはないと言う。そのせいか、読書経験を記したエッセイが少なく、彼の人格形成に資した本の数々について知ろうにもこれまで取りつく島がなかった。筒井康隆が『漂流』で、少年期・青年期・作家デビュー以前・以後と、細かい時代区分をもうけて、その時々に影響された作品を列挙しているのにくらべたら、中島らもは密室殺人のように手がかりが少ない。しかし、本書で謎は解ける。

アンドレ・ブルトンルイ・アラゴンポール・エリュアールトリスタン・ツァラバタイユ、アントナン・アルトーコクトール・クレジオ稲垣足穂ボードレールランボーアンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ……

「この本の傾向を見るとわかるが、主にシュールレアリスム、ダダ、キュビズムの本などが多くを占めている。そう。おれはシュールレアリスム青年だったのである。若い頃から三十過ぎまで、シュールレアリスムにぞっこんだった。」p.16

誰ですか? このなかに少しでも勝手知ったる作品があれば、うそでも自分に「中島らもの資格あり」と思えて得なのだが、ここまでかぶらないと絶望である。やけになって、本文で繰り返し言及されるマンディアルグを取り寄せ、図書館では稲垣足穂を借りた。

アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ/中条省平訳『全ては消えゆく』白水uブックス.
谷崎潤一郎他編『日本の文学34 内田百間牧野信一稲垣足穂中央公論社.

ついでに以下も借りる。
中島らも編『日本の名随筆 別冊78 毒薬』作品社.
桂米朝編『日本の名随筆22 笑』作品社.
井上ひさし編『日本の名随筆52 語』作品社.
木下順二編『日本の名随筆70 話』作品社.

この「毒薬」アンソロジーのなかで、中国の凄惨なアヘン窟を描いた金子光晴のエッセイと出逢った。この詩人にすっかり惚れてしまい、本屋まで著作を買いに走る。

金子光晴『どくろ杯』中公文庫.
    『ねむれ巴里』中公文庫.

70歳を超えた金子が、自身の20代、30代の生活を振り返って書いた自伝である。あいだに置かれた40年という長い熟成期間が、若いころの思い出を繰り返しろ過し、おそろしく純度の高い、青春の結晶体を析出している。文体、底流するものの見方、考え方、すべてが好みだ。ほかの本と同時並行すると、これ以外の物語はすべて霞んで見える。

最後に

なぎら健壱『酒にまじわれば』文春文庫.

これはお酒飲みながら読めればと思って。なぎら健壱はテレビでみるトークが面白くて好きだ。文章でも軽妙な語り口は変わらず、酔いも手伝って、毎回読んだあとに何が書いてあったか翌朝には綺麗さっぱり忘れてしまっている。

 

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