ショッピングセンター

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幹線道路から眺める骨格むきだしの巨大構造物にぞくぞくした。日本最大級のショッピングモールが建つという触れ込みから数年、そのうわさがついに実体として現れたのだ。私はそこにエキスポランドの幻影を見る。エキスポランドは1970年の大阪万博にあわせて作られた遊園地であり、北摂に住まう私にとって、小学生の頃から定番の遠足地であった。

2007年に脱輪事故が起きる。ジェットコースター「風神雷神」の車輪が運転中に大破し、女性1人が亡くなったのである。事故当時、通っていた高校の廊下に1枚の展示パネルが出た。高校生向けのニュース記事であり、トピックは勿論エキスポランドの事故である。森林間をのたうつ白いレールのぐるりを空撮した報道写真を見る。死亡した女性の搭乗箇所を覆うブルーシート、そこから垂直下の地面に、それぞれ慎重なモザイク処理が施されていた。女性は、滑走する車体とレール側面の手すりに頭部を挟んで、首を落としたと言われている。

ショッピングモールは、遊園地の跡地に建ち、名前を引き継いでエキスポシティと名乗る。11月中旬の完成から今までに2度訪れたが、いまだ全部をまわり切らない。1度目はカピバラさんカフェにむさ苦しい男衆3人でくり込み、幼児番組で流れるような間の抜けたBGMを聞きながら、金と女の話で舌を乾かし、乾いた舌をカフェラテで湿らせて帰った。2度目は、蔦屋書店でゆっくりコーヒーを楽しむために1人で出掛けた。しかし、カフェのレジから店外の通路にまで達する行列を見てあきらめた。前に並んだ人間のつむじをしげしげと見つめた挙句、大枚はたいて家庭レベルのコーヒーを啜り、にぎやかす老人連のうしろで耳を塞ぎながら本を読まねばならぬ状況を想像するだけで、どっと疲れた。結局、駐車場の自動販売機で缶コーヒーを買って車のなかで読書した。自分でも何をしにこんなところまで来たのか分からない。

買い物袋を両手に抱えた人を見ると、なーにをそんなに買ってんだか、と呆れてしまう。私たちの余暇活動と消費行動はイコールで強く結ばれている。しかしそんなに良いもんですかねえ、ショッピングってのは。

 

ドーナツツーシーター田代まさししんどさ作詞→ショッピングセンター→?

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