1ヵ月間1200字以上書いてみてわかったこと

「~のはなし」というタイトルで30日間、記事を書いてきました。どうして更新を続けてきたかと言うと、話はちょうど1ヵ月前にさかのぼります。いよいよ夏来たる7月下旬、汗まみれになって自転車を漕いでいるとき、ある疑問が頭をよぎりました。

「毎日、原稿用紙3枚以上をノルマに更新を続けたら、どうなるのだろう?」

結果を想像すると、わくわくしました。その時すでに30日後のタイトルが決まります。「1ヵ月間1200字以上書いてみてわかったこと」のはなし、です。これを連続更新の締めくくりにどうしても書きたい。その気持ちだけで、課題に挑む覚悟ができました。しかし、お気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、30回目の記事はそんな題名、内容になっていません。正直にいうと、どうでもよくなったのです。

10回目を過ぎたあたりで、これはどうやら想像したほど難題ではない、と気付きました。30回目まで届くという弾道が、はっきり眼前に浮かんだのです。とにかく字数を超えれば良い。このルール設定が有利に働きました。質のことであれこれ頭を悩ませる必要がなく、やることは、ただひたすら文字を打ち込んで1200/1200という数字を達成するだけ。自由に書くより、むしろ心理的な負担が軽いくらいです。もしあなたがブログ更新を苦しいと感じているのなら、なにかノルマを設けることをお勧めします。人は完全に自由であるより、ちょっとぐらい不自由であるほうが、じつは楽なものです。真っ白の画用紙を渡されて「なんでもいいから描け」と言われると、何をどう描くものか迷ってしまいます。ところが、「イワトビペンギンしか描いてはならない。使えるのは、赤と青の色鉛筆だけだ」と細かく指令されると、かえって気楽に作業できます。それと同じことです。

更新すればするほどブログを書くのが楽になってきます。一回に必要な覚悟の量が減り、心労が少なくなるのです。私たちは記事を書くたびに他人の評価に晒されます(もちろん他人の評価を受けるために書くのです)。自分ではうまく書けたと思うものほど好評を得なかったり、明らかに出来が悪いと認めるものが予想に反して人気したりします。自己評価ははなはだ不正確で、他者の評と噛みあうことなどめったにありません。毎日更新していると、そういう評価のゆらぎにいちいち振り回されなくなります。多作タイプと寡作タイプ、2人の小説家を考えてみてください。どちらのほうが、次回作に世人の期待や本人のプレッシャーがより多くのしかかるでしょうか。後者です。寡作である場合、一回の失敗が致命的になりえます。反対に、多作であればあるほど、評価が分散して、一度のミスが深刻な傷になりにくい。もちろん、こうした外圧を跳ねのけて、傑作を生み出し続ける寡作の人もいますが、それは才能ある人間に限った話です。更新を続けて得た教訓はつまり、「凡夫ほど多作であれ」。