おならっぷばーん

真夜中の異臭さわぎ

名前の由来と死んだらくだ

卯之助(うのすけ)という名前は、上方落語の演目『らくだ』の登場人物から来ています。桂米朝コレクション(ちくま文庫)から、その人物評をひくと

このらくだの卯之助はんという人は、まあ銭儲けということを一切やりまへん。仕事いうたらたまに博打にでも行くのんが、これがまだ仕事のうちで、ようそんなことで食うて行けるなあと思たら、食うて行けますのやな。(p.10)

という風に、いかにも甲斐性のないダメ人間であるのが分かります。現代でいえば、パチンコで日銭を稼ぐニートといったところでしょうか。私は、このらくだという人物のなかに、自分のすがたを見つけました。実は、らくだの卯之助は生きていません。彼が情けないすがたで死んでいるところから落語は始まります。主役の男は、らくだの死を利用して、その不祝儀に金や酒、食べ物といったものを、生前のかれを憎んでいた人たちにせびってゆくのです。あやつり人形のように駆り出され、死んでいるのにカンカン踊りまでさせられるらくだの姿に、わたしは人間の際限ないつまらなさ、そしておもしろさを感じるのです。

広告を非表示にする